銀座ラフィナージュで開催されたジビーフ尽くしの会に参加させていただきました。

 

ジビーフの生産者である駒谷牧場の西川奈緒子さん、

ジビーフの手当てをされているサカエヤの新保さんをお迎えし、

お話を伺いながら、高良さんがジビーフ尽くしのお料理を振舞ってくださる贅沢な会のスタートです。

 

ジビーフは完全放牧牛。

北海道様似の広大な土地で自然の草を喰み、沢の水を飲んで育ちます。

その肉質は脂肪がほとんどない赤身です。

 

そのままでは水分が多く、調理することが大変難しい肉質ですが、

新保さんの手当てによって他にはないフレーバーと食感を持つ特別な肉になります。

 

 

ジビーフ「了平」

40日熟成です。

 

了平の他には、20日熟成のジビーフ「さやか」

そして内臓も全てジビーフです。

 

 

「ジビーフタンのコンポート グリビッシュソース」

ジビーフのタンは塩漬けし、じっくりと柔らかくなるまで茹でたもの。

 

 

「モロヘイヤのコンソメスープ 小腸のソテ」

首肉でコンソメをひき、青い香りのするモロヘイヤを合わせてあります。

小腸は脂がほとんどなく、しっかりとした食感です。

 

 

「パプリカ香るクスクス 首肉のサラダタブレ」

首肉の頬に近い部分の肉とクスクスを合わせた一品です。

パプリカの鮮烈な香りが印象的です。

 

 

「モワルのクロケット エスカルゴ」

モワルとは骨髄のことです。

骨髄を煮込んだ煮こごりごとクロケットにしてあります。

一口で食べるとジュが弾けだします。

エスカルゴはハーブバターでソテしてあり、

骨髄のねっちりとろりとした食感とエスカルゴのプリッとした食感、そして香りの相性が抜群です。

 

 

「ジビーフテールのプリン フラッシュハーブの芳香」

このお料理のプリンはお菓子のプリンではなく、イタリア語でつまんで閉じる製法のことを指します。

ピエモンテ州の伝統料理にアニョロッティ・デル・プリンというお肉を詰めたパスタがあります。

ラビオリの一種です。

フレッシュハーブたっぷりのソースと煮込んだテールを包み込んであります。

 

 

「センマイのブレゼ マスタード風味」

このお料理には驚かされました。

センマイが主役の一品です。

センマイは柔らかく煮込まれており臭みは全くありません。

フォンや付け合せの野菜との相性の良さ、そしてマスタードの主張しすぎず全体を纏める風味。

どれほど手をかけられたのかが伝わってくるお料理でした。

 

 

「フィレ肉のポワレと香茸のリゾット ポルトソース」

高良シェフと言えばジビーフのフィレ肉。

ジビーフフィレのポテンシャルを100%生かしきる技術に脱帽です。

 

 

「ジビーフさやかとジビーフ了平 サーロインロースト」

左手:20日熟成のジビーフさやか

右手:40日熟成のジビーフ了平

 

高良シェフ曰く、ジビーフさやかは素直に焼き、

ジビーフ了平は水分が抜けているので、余分な水分を抜かないように気をつけながら焼きました、とのこと。

 

贅沢な食べ比べで、それぞれの特徴が良くわかります。

ゆっくり噛み締めて頂きました。

 

 

「みかんのコンポートとチーズのムース」

ジビーフの里には山椒が自生していて、そのせいもあるのかジビーフからは

山椒のフレーバーが感じ取れます。

ジビーフ尽くしの会の最後に山椒と同じミカン科で相性の良い素材を選ばれるところも流石です。

 

ジビーフの生産者である奈緒子さん、手当てをされる新保さん、そして料理される高良シェフ、

大地の恵みを受けて育った命が、料理として最終消費者の目の前に現れるまでのリレー。

ジビーフに関わる全ての方が真剣に命に向き合っていらっしゃるからこそここまでの感動があるのだと深く感じ入りました。

 

会に参加させて頂き、改めて肉に特化した料理教室を開催するためには常に真摯に努力を重ねることの大切さを思い知りました。

高良シェフのお料理を頂きながら、お皿の中のジビーフに「お前はしっかりやれてるか?」と問われたような気持ちになりました。

 

また多くの気付きを頂きました。

 

高良シェフ、奈緒子さん、新保さん、ラフィナージュのスタッフのみなさま、

同席頂いたみなさま、素晴らしい会に参加させて頂きありがとうございました。

 

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