肉塾滋賀研修。
9月は肉塾の北海道研修に続き、滋賀での研修へ。
研修直後にご報告出来れば良いのに、
どうにも思い入れが強くてなかなかアップ出来ず遅くなりました。
1日目、藤井牧場さんを見学に。
いかに藤井さんが他の農家と違うかを知る。
正直という言葉がこれほどしっくりとくる生産者は
藤井さんご夫妻以外滋賀にいないのではないかと思う。
今のサシ重視の市場を考えれば牛を牛らしく育てることは難しい。
農家によっては肥育させ過ぎて、
倒れたら自分の力では起き上がれないため、
安全策としてセンサーを付けさせられている牛もいる。
そんな一般の人が知らない事実がある中、
正当な血筋を持った牛を真っ当に育て上げる、
それだけのことを毎日こつこつされてきた、
本当はそれが一番難しいのだということを穏やかな話ぶりの中から知る。
午後はサカエヤさんで捌きのレクチャー。
豚ロース肉の捌きにも手間取り、
了平店長により手早く捌かれていく牛の腿の姿に己の技量のなさを思い知らされる。
2日目は屠畜場見学。
前夜は疲れているのに深く眠れず一時間ごとに起きてしまう。
眠さはあまり感じず屠畜場へ。
説明を受け現場へ入る。
屠畜から解体、特有の香りと空調は効いているはずなのにねっとりと感じる空気感、
脳梁の辺りが熱くなるような感覚に自分も動物であることを思い知らされる。
おそらく一生忘れることのない経験。
枝肉になるまで正確に機械的に進む工程に、
生き物から食べ物になるということはこういう事なのかと思う。
自分の身体が一番反応していて、
撃ち抜いて気絶させ、放血後吊るされてから、工程が進み、
枝肉の状態に近づくにつれ、
最初に感じた頭の奥底の熱いものが冷静になっていくのが感じられる。
今回の二つの研修を通じて、
牧場での生産過程、屠畜、解体、加工、そして販売されて食卓にあがり消費されるまでが1本につかながった。
全ての過程を知り、100人いたら100人が違う感想や意見を持つであろうし、
思ったことに正解不正解はないのだと思う。
ただ、生産部門、または消費部門だけを切り取り、
牛肉を知った気になって語るのはお門違いだと思う。
肉塾、そして2つの視察・研修で学んだことをどういう形で還元すれば良いか、
帰ってきてから悩む日々。
肉に特化した料理教室にリスタートしてから1年、正しいお肉を伝えたい、
心と身体を健やかに保って欲しい、
どうお教室を変えるべきか考え抜いてきた日々、
まだまだ自分のやるべきことは多く、やりたいことが追いついていないと省みる。
肉塾に参加させて頂き多くの気付きを頂いた。
1周年を迎えたOrange。2年目もまた大きな変化の年となる。
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