9月は肉塾の研修で北海道と滋賀へ。

 

北海道視察ツアー、

1日目はジビーフの里、様似へ。

完全放牧牛ジビーフを知ってから、ずっと焦がれていた地、西川奈緒子さんの駒谷牧場。

そこは携帯の電波も入らない広大な土地。

 

積雪厳しい冬も太陽が照りつける夏も牛舎に入ることなく、大自然の中で生活するジビーフ達。

 

沢で水を飲み、力強く音を立てて草を引き抜いては喰み、

木の枝に身体を擦り付け、子牛は飲みたいときにお母さん牛の乳を飲む。

産まれたての子牛をお母さん牛が草むらに隠して自分は子牛がみつからないように群れにもどり素知らぬ顔をしていること、そんな動物としての牛の習性も初めて知る。

子牛が危険を知らせれば地響きを鳴らしてとんでもない速さで突進してくることも。

 

 

牛が命を育む環境として誰もが思い描く姿かもしれない。

 

だが奈緒子さんが初めた当初綺麗ごとだけでは済まない現実があった。

今でこそ赤身肉や放牧牛が取り上げられ消費者に徐々に浸透し始めているが、A5が最高値の市場でそうではない肉質の牛は見向きもされなかったこと。

それでも奈緒子さんの牛の命を尊重する思いと、新保さんという存在が出会い、

新たな流通がまっさらな状況、というより逆風の中で生み出されたこと。

 

 

既に出来上がっているものを知る事は容易いし、真似る事は簡単だ。

おりしも15歳で13産したジビーフなおみを噛み締めながら、なおみに纏わる話を伺い、想像を遥かに超えた奈緒子さんの労力と放牧にかける想いの強さに胸が熱くなる。

 

 

ジビーフを扱わせて頂くことへの感謝と、ジビーフの魅力をどうしたら伝えられるのか、私に出来ることは何か、まだまだ何もやれていないことに気付き愕然とする。

多くの課題を頂いた。

奈緒子さんの迷ったり疲れたらここに戻ってぼーっとしてね、という言葉に、塩気を含んだような、それでいて爽やかな草の香りの風が吹き抜けた気がした。

 

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